「フロリダ・プロジェクト」「万引き家族」「パラサイト」ーー 連鎖するように続く貧困テーマが内包しているのは家族の姿だ。

 「パラサイト 半地下の家族」が2020年のアカデミー作品賞を受賞した。監督賞もだ。 40年近くアカデミー賞をウォッチしてきた身からすると、まさに奇跡とも呼べる快挙だ。   なにしろ92年のアジア映画、どころか外国語で上…

瑞瑞しい感覚を思い出させる映像と 生命の神秘を表現する壮大な映像が ハーモニーを生む新鮮な映画体験!

海獣の子供   このところ見た映画としては「アベンジャーズ/エンドゲーム」「スパイダーマン:スパイダーバース」「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」とそれなりの話題作はおさえていたのだが、親子というテーマで書く…

全編すべてPC画面で表現される「search」は、そのトリッキーな取り組みも楽しいが、それ以上に謎解きの見事さやドラマの完成度の高さで観客の目を釘付けにする。

カメラを使わず、全編すべてPC画面のみでつくられた映画———— その話を聞いた時、一体果たしてそんなことが可能なのだろうかと、興味津々で鑑賞に臨んだが、 あっという間に話に巻き込まれてしまった。 話が圧倒的に面白いのだ。…

全米が熱狂した「THIS IS US 36歳、これから」は、家族の意味を卓越した構成力で表現した傑作ドラマである。

2016年からアメリカのテレビ局NBCで放映され大好評を得た本作は、日本では2017年10月からNHK総合で放映された。アメリカで評判になっているという話は聞いていたが、うっかリアルタイムで見損なってしまったので、アマゾ…

「さよならコダクローム」は親子の再生とアナログ時代の終焉をロードムービーとして描いた瑞々しい作品である。

落ち目の音楽プロデューサーの男マット(ジェイソン・サダイキス)が、末期ガンを宣言され余命いくばくもない父親ベン(エド・ハリス)と、その介護師の女性ゾーイ(エリザベス・オルセン)の3人で、閉鎖まであと1周間に迫ったカンザスのコダクロームの現像所までクルマで目指すというストーリーだ。父親は著名な写真家だが、その唯我独尊な性格で息子とは不仲で10年以上口をきいていない…

子供の視点と親の視線が交わる青春映画の傑作「ローラー・ガールズ・ダイアリー」

どの親も青春時代を経て親になっているはずなのに、わが子のことになるとそのことを忘れたようにコンサバになってしまいます。そのコンサバは深い愛に裏打ちされているのにもかかわらず、理解されないジレンマに親は悩み。子供は疎ましがります…